人権の「値段」について適当に考える。

表現や言論の自由が侵害されたとか冤罪や公害その他もろもろで人権が侵害されたとき被害者は損害賠償請求訴訟を起こすが、判決で決定した賠償額は、つまり人権の値段のことである。通常、日本では人権に値段という考え方はあまりしないが、権利とはファイナンスで言うオプションのことであり、人権とは国家が国民に発行するオプションと考えることもできる(もちろん国籍を有さないものに国家は人権を保障しない)*1。で、権利なんだから価値が決定されなければならない。決定されなければ取引できない。ただ人権は通常の商取引のように自由に売買できるようなものではないが、唯一、仮想的な取引とみなすことができるのが訴訟である。つまり損害賠償訴訟とは強制的に移転された(=侵害された)権利に対する値段を決めて事後的に取引を成立させてやる作業のことである。

ここで損害賠償の金額は基本的にその国の経済水準に左右されるので絶対的水準で考えると人権とは世界共通の価値を持つのではなく、その国の経済水準に依存することがわかる。つまり途上国より先進国のほうが国家の保障する人権は価値が高い。

それ自体は別にどうでもいいのだが、僕の思いつきは通貨レートで基準通貨に標準化した損害賠償請求額を国際比較すればその国がどれだけ人権の価値を重要視しているか明確な基準でわかるのではないか、ということ。

まあ完全に専門外かつ単純な思いつきなんで、誰か他に考えている人がいるだろうし、そもそも人権を軽視している国では訴訟で損害賠償が認められる確率自体が低いだろうし、訴訟自体起らないかもしれない。

とはいえその辺はやり方次第で大分補正できそうだし、Amnestyあたりがやっててもよさそうなもんだけどね*2。はてさて。

あと人権の実現価格だけじゃなくて理論価格の算出方法も誰か考えてる人いないかねえ。僕の可哀想な脳みそではむりぽ。

*1:ただし国家とは国民のことであると考えると自分で自分に権利を保障するのか、みたいな話になってややこしくなるけど

*2:調べてない